キュリー夫妻

キュリー夫妻が苦労の末に発見した元素ラジウムの製造法について特許を

申請しなかった話は有名だが、簡単な決断ではなかったようだ。

夫のピエール・キュリーには迷いもあった

伝記の中にはこんな場面がある。特許取得をほのめかす夫に、

夫人は「科学者の精神に反する」と反対する。夫はなおも食い下がる。

「生活が厳しい。娘もいる。よい研究施設も造れる」

キュリー夫妻の「口論」が再び、今起きているようだ。

新型コロナウイルスのワクチン製造の特許権保護をめぐって、

世界の意見が分かれている。米国のバイデン大統領が

特許権停止を支持すると表明し、これにフランスなどが賛同する一方で、

開発拠点を抱えるドイツなどが反対する

特許権を緩和し、製造技術を広めれば、ワクチン不足に困る途上国は助かる。

米国などはキュリー夫人の立場なのだろう

心情的にはこちらに軍配を上げたくなるが、巨額の開発費を投じた

「秘伝」を守りたい製薬会社を一方的に叱るわけにもいくまい。

富というニンジンが奪われれば今後、ワクチンを開発する企業はなくなるという

主張もある程度は分かる

難しい問題である。特許を求めなかったキュリー夫妻のその後のくらしは

決して楽ではなかったそうだ。

賛成反対の双方の言い分を調和させる方法をを早急に探りたい。

議論ばかりでワクチン供給が遅れては元も子もない。

                        ※引用元 中日春秋より

 

コメントを残す