優勝トロフィーを手に笑顔を見せる渋野(撮影・鈴木正人)
<国内女子ゴルフツアー:スタンレー・レディース>
◇第2日◇9日◇静岡・東名CC(6592ヤード、パー72)
◇賞金総額1億円(優勝賞金1800万円)
◇無観客開催 渋野日向子(22=サントリー)が
プレーオフの末に逆転で、
19年11月の大王製紙エリエール・レディース以来、
686日ぶりの復活優勝を果たし、涙を流して喜んだ。
正規の18ホールは首位と2打差の5位から出て、6バーディー、2ボギーの68。
通算10アンダー、206で、木村彩子、ペ・ソンウ(韓国)、アマチュアの佐藤心結と並んだ。
4人で争われたプレーオフを制し、日米通算6勝目を挙げた。
前半は何度もチャンスにつけながら、わずかにバーディーパットを外す展開が続いた。
それでもボギーはたたかず、ようやく最初のバーディーが出たのが8番パー5。
グリーン手前のバンカーからの第3打を、70センチにピタリと寄せて奪った。
我慢の展開が続く中で折り返した。
後半も10番パー3で、ティーショットを左ラフに入れるなどしてボギーをたたいた。
だが11番パー5でバーディーを奪いバウンスバックに成功。
さらに13、14番で連続バーディーとし、優勝争いに戻ってきた。
その後、バーディーとボギーを1つずつ奪い、1打差を追って迎えた18番パー5。
100ヤード足らずからの第3打を1メートル余りにピタリと止めた。
同じ9アンダーで並んで同組で回っていた西郷真央、西村優菜がバーディーパットを外す
嫌な流れの中で伸ばす、勝負強さを取り戻していた。
4人で争われたプレーオフは、1ホール目でスーパーショットを見せた。
フェアウエーからの第3打は、あと一歩でチップインイーグル。
ピン奥に着弾し、バックスピンのかかったボールはカップに向かって転がったが、
わずかに軌道がずれていた。それでも10センチにつける精度で“お先”のバーディーを奪った。
2ホール目も、第3打を1メートルにつけてバーディーを奪った。
佐藤とペがバーディーパットを決められず、優勝が決まった瞬間、
両手で顔を覆って涙を流して喜んだ。
優勝インタビューでは「久しぶりのプレーオフでしたし、
緊張感のある中での優勝争いも久しぶり。
そして、こうして優勝するのも約2年ぶり。
本当にプレーオフはすごく緊張したんですけど、最後まで自分らしくプレーできたと思います」と、かみしめながら話した。
「正直(日米5勝した)2019年の自分を超えることは難しいんじゃないかと去年思っていた。
ここ最近の自分なら、2019年の自分を超えられるんじゃないかと、
ちょっとずつ自信を持てるようになってきて、
やっと優勝争いを何試合かできるようになって、
もうすぐなんじゃないかという気持ちもあったけど、
それを抑えて、自分の勝ちたい欲も抑えて、
ずっと一打一打に向き合ってやってきたかいがあったかなと思う。
本当に、ウソなんじゃないかなと思って、涙が出てしまいました」。
一言一言、これまでの約2年を思い出しながら力を込めていた。
※引用元 日刊スポーツより